BMW E65 走行中に警告灯が点灯しエンジンが始動出来なくなった
走行中にブレーキ関係の警告灯が点灯しエンジンが再始動出来なくなったとのことで入庫したE65です。キーONにはなりますがセルモーターが回らずバッテリー電圧が3Vしかありません。バッテリーをジャンプケーブルで接続すると一発始動しますが、ケーブルを外すとエンジンが停止します。オルタネーターが故障しているかヒューズが切れていそうな雰囲気です
仮のバッテリーに交換しオルタネーターのB端子出力電圧を測定すると、バッテリー電圧よりも低い状態。ヒューズ切れも無いことからオルタネーターが故障しているのでオルタネーターを取り寄せし交換します。
交換後は充填電圧も正常になり、電圧低下で発生した大量のエラーコードも全て消去出来たのですが、別の問題が見つかっています。オルタネーター到着までお車をお預かりしていたのですが、その間に地面に結構な量のオイルが漏れ出しています。確認するとオートマミッションのオイルパンからのATF漏れです。
漏れやすいオイルパンガスケットからだとばかり思っていましたが、洗浄後に確認するとオイルパン本体からじわじわと漏れ出していました。樹脂製のオイルパンのひび割れですね。オーナーに連絡しこのまま走行出来ないことは無いのですが、漏れ出してくるATF量が様子見出来るレベルでは無く、早い段階で走行不能になることが想定されるので、オイルパンとATF交換を追加で作業することになりました。
ATF交換の必要が無いとされているE65ですが、抜いたATFはこのような状態。良い状態とは決して言えませんね。
納車後は走行フィーリングに変化を感じられたようです。縦置きエンジン車両で運転席と助手席の間付近にオイルが垂れた跡があるような場合にはミッションからのオイル漏れが考えられますので、早めの点検と対策を行うことをお勧めします。