アウディA6 C5 走行中にエンジン故障 再始動出来ない
走行中に突然エンジン不調になり、そのままエンジン停止。再始動出来なくなった状態です。点検をすると、圧縮が無いような感じでエンジンが始動しません。圧縮を測定すると、左バンク側の圧縮が異様に低い状態です。
タイミングベルトカバーを外し確認すると、左バンクのインテーク側カムスプロケットのみ180度タイミングがずれている状態。タイミングベルトは弛んでおらず、スプロケットのセンターのボルトもしっかりと締まっています。さらに分解し点検すると、2分割のスプロケット固定ボルトが1本緩みシリンダーヘッドと接触していました。
固定ボルトが緩みシリンダーヘッドに激突。スプロケットが一瞬停止しベルトの山飛びが発生。タイミングが大幅にずれて吸気バルブとピストンが接触しバルブが曲がってしまい、密閉性が損なわれたシリンダーは混合気を圧縮することが出来ずエンジン始動不能状態に陥る、という状況ですね。通常このボルトは緩めることが無いので、何故に緩んでしまったのかは不明です。ピストントップへのダメージはほぼ問題ない状態でした。たまたま同型の車輛があったためエンジンテストを実行。問題が無いことを確認し、シリンダーヘッドAssyを使用することにしました。
バルブ曲がっています
交換に使用するシリンダーヘッド
思うように作業が進まず時間が掛かってしまいましたが無事に終了。年明け前に納車することが出来ました。カムスプロケットが分割タイプでボルト固定されている物については、タイミングベルト交換時などに締め付け状態を確認したほうが良いですね。