ゴルフ4の整備 ヒーターフラップ、ヘッドライトハーネス等 その1
本州から車両を購入されたオーナーより整備の依頼を受けました。
最近購入されたばかりということで、ひと通り点検します。
本州から取り寄せした車両ということで、まずはクーラントとウォッシャーを点検。
ウォッシャー液・・ 凍結しています。
クーラント・・ 濃度が薄い。
濃度が薄いクーラントは凍結する可能性があります。 凍結してしまうと、膨張によりシリンダーヘッド・ブロックを破壊してしまうことがあるので、特に冬季間は早急に交換が必要です。
ウォッシャーは完全に凍結しており、ウォッシャー液として水が入っていたと思われます。
ウォッシャーポンプは動作せず、確認すると本体から錆が発生しており内部固着しています。
エンジンを始動し、そのほか色々と点検しているとヒーターが妙にぬるいことに気が付きました。 水温は十分に上昇しており、サーモスタットも開き電動ファンも回転しています。
ゴルフ4オーナーの方ならすぐにピンと来たのではないでしょうか。
そうですアレです。 フラップ部分に貼り付けされている防音のためのスポンジです。これが剥がれてしまっていたことが原因です。
風の通り道を変更させるためのフラップなのですが、フラップ部分には大きな穴が複数開いており、スポンジが剥がれてしまうと常に暖かい風と冷たい風がミックスされた状態になります。
こちらを修理するにはダッシュパネルを取り外さなければなりません。
オーナーに連絡すると、ヒーターは大事な部分ですので、修理してくださいとの返答を頂いたので早速着手します。
ダッシュパネルを取り外し、ヒーターコア、エバポレーターが見えてきました。
さらに取り外しを進めフラップ部分を確認すると温風・冷風切替フラップだけではなく、吹き出し口を変更するフラップまで全てスポンジがほぼ無い状態。
ヒーターモーターで発生した風はフラップで誘導されることがないので、好き勝手に全ての吹き出し口から風が出てきてしまう状態です。
剥がれたと思われるスポンジの残骸が色々な部分に散乱していました。
新しいスポンジを貼り付けするのですが、このまま貼り付けしてしまうと剥がれた時にまた同じ状況になってしまうため、アルミテープで穴を塞いでからスポンジを貼り付けしました。
エバポレーター・ヒーターコアのフィン部分も埃などで目詰まりしていたので清掃します。
その他の部分もボロボロなので、こちらも修繕。
さらに内外気を切り替えるフラップモーターも動作がおかしい。 モーター音はしているのに動作しないので分解して確認します。
ギアのセンター部分が割れていて空転していたようです。
ギアのみ交換出来ないかと在庫を探したのですが、残念ながらパーツの持ち合わせが無くモーターAssy新品取り寄せとなりました。
ギアが割れた原因としては、フラップの開閉動作が重く常に負担が掛かっていたのだと思われます。
フラップの蝶番の部分の当たりが悪くなっていたか埃などが入り込んだのか、原因が分からないのですがシリコンスプレーを散布すると動作が軽くなったので、動作が軽くなるまで手動で開閉を繰り返して組付けしました。