メルセデスベンツ S124 水温が高い
以前から水温が高めだったS124。 ファンカップリングの空転量が多く、まずはファンカップリングを交換しましたが効果がありません。 水温センサーの問題で実際の水温とメーターの温度に差が出る場合もありますが、ヒーターの風の熱さからそれも可能性が低い。 エンジン回転を上昇させると水温が下がりやすい傾向にあるので、ウォーターポンプかラジエーターに問題がありそうです。
ウォーターポンプは水漏れが無く、冷却水の劣化状態も酷くありません。 ラジエーター左右での温度差が微妙に感じられるので、ラジエーター本体の問題が濃厚。
ラジエーター交換をすることになりましたが、予防整備としてウォーターポンプ、サーモスタットも同時に交換することになりました。 冷却水も全量交換です。
取り外したウォーターポンプは異音やガタ付き、内部の羽の状態は問題有りませんでした。
取り外したラジエーターはこのような感じ。 見た目で左右のタンク部分に錆は発生していますが、フィン部分はまだ問題なさそうに見えます。
作業後はこの時期に100度まで上昇してしまっていた水温も80度強で安定。
ヒーターの風も以前は熱いほどでしたが、それも緩和されました。
取り外したラジエーターは、目詰まり具合を確認したいので分解してみました。
内部の見た目はそれほど錆も発生しておらず、思っていたよりも状態が良い感じに見えています。
反対側から懐中電灯を当ててクーラントの通り道を覗くと、光が見える部分と見えない部分がかなりあることが分かりました。 3列ある水路のうち両端はかなり光が見えにくい状態で、実質真ん中の水路でしかクーラントの流れが発生していなかったようです。 詰まった水路に圧縮空気を吹き付けると、内部からヘドロ状になった冷却水が出てきました。 これが詰まりの原因です。
冷却水の管理状況が悪かったのか、車に合わない冷却水を使用していたのかわかりませんが長年使用してくると、普段からのメンテナンスがこのような場面で効果が出てきます。 冷却水だけではなく、エンジンオイル等も同じことが言えます。
手遅れになる前に、定期的なメンテナンスを行ってトラブルを未然に防ぎましょう。