パサート 3C V6 3.6 突然のエンジン不調
走行中に突然エンジンが不調になりレッカーにて入庫してきたR36です。 片肺状態で正常に走行出来る状況ではありません。
点検をすると1,6,3番シリンダーのミスファイア。 その後1,3,2番のミスファイア。 ミスファイアが異様に発生しランダムに変化する状況。 どうも様子がおかしいので圧縮を測定してみることに。
1番シリンダーの圧縮がありません。 スパークプラグは6本全て問題なし。 各気筒にエアーを入れてみると1番シリンダーのみエアが抜けてしまいます。 他のシリンダーはエア圧でクランクが回りそうになるほどの密閉状態。 ヘッドカバーを開けて内部を確認してみます。
走行中に突然不調になった状態でしたので、スパークプラグの先端が溶け落ちたのではと考えていたのですが違いました。 確認すると1番シリンダーの吸気側バルブスプリングが折れていました。
バルブスプリング交換が必要です。 バルブ曲がりの可能性もあるため、バルブも同時に交換。
狭角6気筒エンジンなので、シリンダーヘッドは小さいですが重さはかなりあります。 脱着の際にエンジンクレーンを使いました。
ピストントップやバルブ、シリンダーヘッドポートにカーボン・スラッジが堆積。 除去してから組付けます。1番ピストンとバルブはそれほど干渉しておらず、ピストンは無事でした。
バルブステムシールも交換し、すり合わせも行いました。
ピストントップが口を開けた人の顔に見えます。
作業にはSSTが必要です。
エンジンオイル、クーラントを交換し最終チェック。 時間の関係上一旦納車しましたが、本調子ではなくフューエルプレッシャーセンサーを後日交換し完了となりました。 日頃からメンテナンスは行っているオーナーで、荒い運転もされないのでスプリングが折れた原因は不明です。