ステアリングナックル スプレッダー インプレッション
弊社で扱っている工具のひとつ 『スプレッダー』
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その意味は割る、引き裂くということ。何を割るのか?下の写真をご覧下さい。
これはアウディA4(8D)のフロントナックル上部の写真。
このナックルに取り付けられているアッパーアームとタイロッドエンドを固定する部分は、ナックルにスリットが入っていて、そこを貫通させたボルトを締め付けることによりナックルにアッパーアームとタイロッドエンドが固定されるものなのです。
このスプレッダーはスリット部分を開いて部品(この車の場合はアッパーアームとタイロッドエンド)を外し易くする工具なのです。
『スリットを開かせるならタガネで充分!』という意見もあるかと思います。
※ 写真右側は今回ご紹介をする工具 『スプレッダー』
確かにそうなのかもしれませんが、タガネを使って作業を早く、正確におこなうことが出来るでしょうか?
タガネを使ってスリットを開く行為は、簡単な様で実は難しい作業なのです。
タガネを叩き過ぎるとアッパーアームのボールジョイント部分にキズをつけてしまったり、ナックルのスリット部分が必要以上に開いてナックルが変形をしてしまい、再度アッパーアームを固定するためのボルトが挿入出来なくなってしまう可能性もあります。
また、この車のアッパーアームは2本取り付けられていて、タガネを使った取り外し作業は片方づつおこなう必要がありますが、このスプレッダーを使えば2本同時に取り外すことが可能なのです。
この工具の2点式スプレッダーの使い方をご紹介します。
(1) 先ずはスリット部分を貫通しているボルトを抜き取ります。
(2) 次にスプレッダーをセットしていきますが、抜き取った後のボルト穴部分にスプレッダーとナックルを支持するピンを挿入します。
このとき、ピンはボルト径よりやや小さめのものを選びます。
ピンは4種類。
『約』 と表記していますが、いずれも0.2mm程小さくなっています。
精度が低いと思われますが、精度が良すぎるとピンの抜き差しが場合によっては困難となります。
この0.2mmの差でピンの抜き差しを安易にしているのです。
(3) プレッシャースクリューを入れ、スプレッダー上部に各部を固定する六角ネジを、同梱の六角レンチを使って締め付けてスプレッダーのセットは終了です。
いよいよ、ナックルのスリット部分を割り(引き裂き)ます。
(4) 13mmのレンチを使って左右均等に締め付けていきます。
締め付けている最中からナックルの自重で勝手にアッパーアームが外れて来ました。
ナックルを揺さ振ればアッパーアームは外れますが、外れ難い場合は拳で軽く叩き上げると安易に取り外すことが出来ます。
(5) 取り外し終了!
力を使わず楽に取り外せました。
このスプレッダーには2点式の他に1点式のスプレッダーも同梱されています。
タイロッドエンドも同様の方法で取り外してみました。
これもナックルの自重で勝手に抜けて来ました。
抜き出したアッパーアームとタイロッドエンドの状態
ボールジョイント部分にサビが付着しています。
通常ならばハンマー等でアッパーアーム(タイロッドエンド)を叩かなければ抜き取ることは困難でしょう。
ハンマーで叩くことにより部品にキズが付いたり変形をしてしまう恐れがありますが、スプレッダーを使えばそんな心配もいりません。
スプレッダー使用後のナックルの状態
タガネで叩いた様な跡が付いていますが、スリット部分の開きは最小限に抑えられています。
以上の様に、部品の取り外しが確実でスピーディーにおこなえる工具なのですが、実は再度部品を取り付ける場合にも大活躍をします。
スプレッダーをナックルから取り外すと開いたスリット部分が元の位置に戻ってしまいます。
この状態からアッパーアーム(タイロッドエンド)を挿入しようにも、スリット部分が縮まっているために入れ難くなっています(ハンマーで無理やり叩けば挿入可能ですが部品にキズが付いたり、変形をします)
このスプレッダーを使えばアッパーアームを2本同時に挿入可能なのです。
タガネを使った作業では1本づつ挿入・・・大変時間が掛かってしまいます。
部品を壊さず、スピーディーな作業に・・・何と言っても楽に作業が出来る!
パルカのスプレッダーをご活用下さい!
『スプレッダー』のセットアップとアッパーアームの取り外し作業動画
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