2021.05.10ウレタンマスクの光触媒抗菌コーティング実験
当店にて取り扱っているガラスコーティング剤「G-POWER」の中で光触媒抗菌作用があるものを
ウレタンマスクに塗布し、汚れを付着させた後に菌数を計測する実験を行いました。
※本測定は完全な同一環境(気温・湿度・測定実施時間等)で行ったものではないため、参考程度のものとなる(ただし実際にマスクを使用、保管する環境には近い)
1.実験内容
1)液剤塗布後の状態、完全乾燥までの所要日数、手触りなどの確認
2)PCのキーボードを触れた指でマスクに菌を付着させ、
菌付着後に時間計測の上、一定の時間毎にATPふき取り検査を実施
3)マスクの洗濯後に再度『2』の検査を実施
使用液剤
PX:布・木材・コンクリート専用の光触媒抗菌ガラスコーティング剤
P.BS:金属面・ガラス面・樹脂面・陶器面他用の光触媒抗菌ガラスコーティング剤
P.AG:アルコールによる消毒、光触媒とナノ銀による抗菌が見込めるコート剤
FX:撥水力に優れたコート剤
それぞれ、吹き付け、漬け込み、組み合わせなど液剤の特性によって
施工方法を変え、新品のウレタンマスクに施工。
1)液剤塗布後の状態、完全乾燥までの所要日数、手触りについて
・PX(吹きつけ)
若干のアンモニア臭>一晩でほぼにおいなし
>二晩でパッキングしてもにおいなし
・PX(漬け)
強烈なアンモニア臭>一晩で薬剤のにおいあり+若干硬い
>二晩でパッキングすると若干の刺激臭
・P.BS(漬け+スチーム硬化)
強烈なアンモニア臭+若干硬い>一晩で薬剤のにおいあり+硬い
>二晩でパッキングすると若干の刺激臭
・PX+FX(共に吹き付け)
アンモニア臭>一晩でほぼにおいなし
>二晩でパッキングしてもにおいなし
・PX+P.AG(共に吹き付け)
P.AG(アルコール)臭+茶色に色づき+硬い>一晩で薬剤のにおいあり+若干硬い
>二晩でパッキングしてもにおいなし
※すべて塗布直後に遠赤外線ヒーターで水蒸気が出なくなるまでベイク済み
2)菌付着ふき取り検査
検査手順①
キーボードに触れ、指に汚れを付着させる
検査手順②
指に付着したキーボードの汚れをマスクに付着させる(マスクをつまむ要領で)
検査手順③
マスク上の汚れをルシパック(ふき取り検査器)にてふき取り
検査手順④
ふき取った汚れを検査薬に漬け、撹拌
検査手順⑤
ルミテスター(測定機)にルシパック(ふき取り検査器)を入れ、測定
検査手順⑥
LED照明を照射し、一定の時間が経過した時点で『検査手順③』から繰り返し測定を実施
※コーティング施工済みのマスクと比較のため、未施工のマスクも同様の実験を実施
いずれのマスクも汚れ付着直後と1時間経過後を比較すると
数値がほぼ半減(平均で54.2%)するという結果となった。
しかし、未施工のマスクも1時間経過で63.5%の減少となっており、
菌の減少がコーティングの効果によるものか、マスクの特性によるものか
判断ができない状況となった。
3)洗濯後の菌付着ふき取り検査
手洗い洗濯後もコーティング済みのものは菌の減少を確認。
平均値として10分経過で42.7%、1時間経過で51.6%、6時間経過で70.6%の減少。
未施工のマスクは10分経過で57.1%の減少、その後横ばいで最終的に50.3%に留まった。
以上の結果を踏まえると、コーティングは菌数をより減少させる効果があると言える。
また、コーティング剤塗布後の完全乾燥が早く、素材感も実用的だったのは、
『PX(吹付)』と『PX+FX(吹付)』だった。
※コーティングマスクの販売、コーティングメニューとしての追加の予定はありません。