2025.11.05鉄粉の正体と除去方法について
今回は鉄粉についてのお話です。
当店でも鉄粉についてのご相談を多くいただいております。
普通の洗車では落とせず、無理に落とそうとすると傷だらけになんてことも....
ここ数年で市販品の種類も豊富になりご自身で除去をしている方も増えましたね。
様々な要因で付着してしまう厄介な鉄粉ですが、まずは付着してしまう原因や付着した際にどのような影響があるのか深掘りしていきたいと思います。

◆鉄粉が付着する原因
鉄粉は空気中に浮遊しており、走行時や駐車時にボディ表面に乗った鉄粉が時間の経過と共に酸化が進み、塗装面に固着してしまうのが主な原因です。
空気中の鉄粉の要因としてはブレーキダストや鉄道のレール、工場のばい煙などが代表的な例ですね。
他にも北海道などの降雪地帯では、路面と除雪車のブレードの摩擦により発生した鉄粉が雪と混じり、ボディに付着するケースもあります。
降雪地帯のお車は路面から近い箇所や、雪を巻き上げやすい後方に鉄粉が集中する傾向があります。
ボンネットやルーフなどに多く付いている場合は、鉄道や工場などの近くに駐車しているなどの可能性も考えられ、鉄粉の付き方には特徴があり大まかな付着要因の推測が可能です。
保管状況や使用環境によって付着量に差はありますが、屋外にある以上はほぼ100%と言っていいほど付着しています。
◆鉄粉がボティに与える影響
鉄粉を放置した場合、洗車時の水切れが悪くなる、汚れが鉄粉に絡まり落としにくくなるなど塗装面の劣化につながります。
目に見えずとも手で触るとザラザラした感触があるので気持ちの良いものではありませんね。
また、酸化が進むとサビが発生して徐々に内部へ浸食していきボティを腐食していきます。
そのため、春先など年に一度は除去を行うことで、車体を美しく保つことができます。
◆鉄粉の除去方法
最もお手軽な方法は、鉄粉除去剤を使用してボディを擦らずに化学反応で溶解させる方法です。
ボディに直接触れずに済むため、傷をつける心配がありません。
ただし、鉄粉の固着が強い場合は除去剤のみでは不十分です。
私の経験上、北海道では一冬超えると鉄粉除去剤のみでの対応は難しく、冬の間にこまめに除去をすれば可能かもしれませんが現実的ではありませんね。
そのため、頑固に固着してしまった場合は鉄粉除去剤と併用して、粘土や鉄粉を落とす素材が特殊加工されたクレイパッドなどが必要になります。
ここで2つ注意点があります。
①鉄粉除去剤の種類に注意
鉄粉除去には「中性タイプ」と「酸性タイプ」があります。
中性タイプは素材への影響が少なく、比較的に安全に使用できます。
一方で酸性タイプは酸化鉄以外の成分にも反応する性質があるため、意図しない箇所で反応してしまい材質によっては変色・変質のリスクがあり、コーティング施工車の場合は被膜に悪影響を及ぼす可能性もあるため、取り扱いには注意が必要です。
ご自身で使用する場合は、基本的には中性タイプを選ぶのが安心です。
②粘土やクレイパッドなどの物理的に接触する道具は傷が入るリスクがある。
鉄粉除去剤のみでは取り除けない場合は、上記のような道具を使用することで効率良く作業ができます。
しかし、ボディに直接押し当てて擦るため少なからずとも傷が入ってしまいます。角度や力加減を間違えると傷だらけになり、塗装の状態が悪化なんてことも....
なので磨く事を前提に作業するか、シャンプーや水をかけながら摩擦を少しでも軽減させて除去を行うのが重要です。
補足:本来の使用目的とは異なりますが、虫取りクリーナーが手元にない場合、鉄粉除去剤は虫の死骸にも浸透して柔らかくなるので除去がしやすくなります。
ご自身で除去も可能ですが、塗装面やコーティング被膜を傷をつけてしまうリスクを考えると、プロに依頼するのも有効な選択肢です。
また、当店でコーティング施工したお車限定にはなりますが、メンテナンスメニューとして鉄粉除去も承っております。
大切なカーケアライフにぜひお役立てください。
河内


