何故予防整備をお薦めしないのか?
現代の整備工場の殆どが予防整備を車のユーザーにお薦めしていないようです。
これは実際に新車ディーラーであった話です。
Aさんは今から半年ほど前にラジエータが壊れて、ラジエータを新車ディーラーで交換しました。
そして半年後にクーラントが漏れ出すと言う故障が発生しました。
漏れ出したのはラジエータとエンジンの間のラジエータホースと交換したラジエータとの間からでした。
さて、これはラジエータの交換修理と関係の無い事なのか???
これは、ディーラーの知識不足から、今後近いうちに起きる可能性のある故障を見抜けていなかったことが原因で発生した故障でした。
ラジエータが壊れた原因は定期的にクーラントを全量交換していなかった事がラジエータの寿命を縮めました。
そしてラジエータホースはエンジンが懸かって水温が上がると圧が上がるため、膨張と収縮を繰り返す部品ですから当然劣化する部品です。
そのラジエータホースをラジエータの交換時に一緒に交換しておけば今回のような故障は発生しなかったのです。
一緒に交換してもホースはそれ程高い部品ではないですし、工賃も増えることはありえません。
結果的に1回で解決したはずの故障が連続しました。
そして工賃も2回発生しました。
この様に予防整備の提案を出来ないのは「経験不足」「知識不足」が大きな原因です。
同じメーカーの車を扱う新車ディーラーでもこの様な事があるのは、やはり経験不足からくるものなのです。
ましてどんなメーカーの車でも扱う整備工場だと、もっともっと1台の車種に対する経験値はとても薄くなるか、無い状態となるでしょう・・・ まして車検整備をメインで行なっている工場では故障整備は手に負えなくてディーラーに外注しているケースが多いですから・・・
車を長く乗る時代に進んでいますが、長く乗るためにメンテナンス整備、予防整備を提案することが出来る、自分の車に詳しい工場メカニックと出会うことがとても重要なことなのです。